3・3・1

近代の超克論議についての簡単なデッサン

僕は当章をながれる裏テーマとして、昭和17年、雑誌『文学界』誌上で行われた「近代の超克」論争をひそかにおいていた。また「近代の超克」という言葉自体が、当時の知識人たちのあいだで流行語になりえたことからも、この座談会は時代的な現象であったとい…