論文の目的

本稿は、明治期以来の日本近代建築において展開された建築論の変遷から、日本における近代建築の成立過程が持っていた本来的な特質を再び意識的に扱うことによって、明治初期から戦後までの日本近代建築に通底して存在していた、ある観念的な部分を把握しようとしている。
今その部分を、仮に近代「日本国」建築の系譜となづけることにする。