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本居宣長(1730-1801)

国学が現在でものりこえられるべき問題として残っているならば、それはひとえに宣長にかかっているということが過去の論者たちから指摘されている*1。宣長二十代の処女作である文芸論、『排蘆小船』は次のような出だしで始まる。 歌は政治を助けるものでもな…